子どもの成長期に、夜になると脚が痛む、運動後にひざやかかとを痛がる──いわゆる「成長痛」と呼ばれる症状は、保護者の方々にとっても悩ましい問題です。
医学的に「成長痛」は明確に定義されていない部分がありますが、主に小学生から中学生くらいの年齢で、下肢（ひざ周り、足首、かかとなど）に繰り返し痛みが生じるケースが多く見られます。
痛みの原因がはっきり分からず、不安になる親御さんも少なくありません。しかし、子どもの身体は成長過程であるため、骨・軟骨・筋肉・靱帯などが急激に変化しており、そこで生じる微細なズレや負担が「成長痛」として現れることが多いと考えられています。
ここでは、成長痛の背景や代表的な症状、放置によるリスク、そしてセルフケアと丸山接骨院でのサポートについて詳しくご紹介します。
成長痛とは？
「成長痛（Growing Pains）」は、一般的には子どもが夜間や運動後に脚やひざ、かかとなどの痛みを訴える症状の総称です。一般に 骨の成長速度と筋肉・腱（けん）・靱帯など軟部組織の発達がアンバランス になることで、負荷が特定の部位に集中し、痛みが出ると考えられています。
- 年齢層：小学校低学年～中学生頃に多い
- 痛みの部位：ひざ周辺、ふくらはぎ、足首、かかと、太ももなど下肢が中心
- 痛みのタイミング：夜間（寝る前）、運動後、成長期特有の急激な骨伸長期
実際には「成長痛」と言われる症状の中に、オスグッド・シュラッター病（膝下の炎症）、セーバー病（かかとの骨端炎）など、医学的に名称が定まっているケースも含まれることがあります。大切なのは、痛みの原因を見極め、必要に応じて正しいケアや治療を受けることです。
発症の背景・原因
1. 骨と筋肉の成長スピードの差
子どもは身長の伸びに伴い骨が急激に成長しますが、筋肉や腱の伸び・柔軟性が追いつかない場合があります。このアンバランスが、骨の付着部や関節に負荷をかけ、炎症や痛みを招きます。
2. 運動量の増加
部活動やスポーツクラブでの激しい運動が続くと、特定の部位に過度の負担がかかりやすくなります。ジャンプやダッシュなど、衝撃の強い動作を繰り返すことで痛みが出やすくなるケースも多いです。
3. 姿勢・体の使い方の癖
成長期の子どもは、骨格そのものが安定していないため、姿勢や歩き方・走り方に偏りやクセが生じやすいです。たとえば、足裏の重心が偏っている、猫背や反り腰が強いなどの問題で局所へ負担が集中し、痛みにつながることがあります。
4. 過去のケガや炎症の影響
小さい頃に捻挫などのケガをしたり、成長期の過度な運動で軽い炎症を起こしたりしていた場合、その部位が弱点となりやすく、成長とともに再度痛みが出ることがあります。
5. 心因的要素や疲労
精神的なストレスや疲労の蓄積は、筋肉の緊張や血行不良を引き起こし、痛みを増幅させることがあります。とくに試合前後のプレッシャーや学校行事での疲れなどが重なると、症状が出やすい子もいます。
代表的な症状
1. 夜間痛
昼間は元気に過ごしているのに、夜になると脚がズキズキ痛む、寝られないほどの痛みが出る。これがいわゆる「成長痛」と呼ばれる症状の代表例です。朝になると痛みが軽減する、あるいはなくなっていることもしばしば。
2. 運動後のひざ痛・かかと痛
運動部に所属している子どもに多いのが、 オスグッド・シュラッター病（膝下の脛骨粗面という部分が痛む）や セーバー病（シーバー病）（かかとの骨端炎）です。走ったり跳んだりの反復動作で骨の付着部が炎症を起こし、腫れや鋭い痛みが出ます。
3. 部分的な腫れ・熱感
痛みが出ている部位が赤く腫れたり、触ると熱を持っていることもあります。骨端（骨の成長線付近）が炎症を起こしている場合、押すと強い痛みを感じるケースが多いです。
4. 動き始めの痛み
朝起きて最初の数歩が痛い、練習開始直後は痛むが徐々に慣れてくる、などの症状も成長期特有の痛みの特徴の一つです。ただし、動作を続けると再び強い痛みが出る場合は注意が必要です。
放置するとどうなる？
成長痛は「自然に治る」「骨が伸びきれば落ち着く」と言われることもありますが、明らかな痛みや炎症がある場合に放置すると、以下のリスクが高まります。
- 運動能力の低下・部活の長期離脱
痛みのせいで練習が十分に行えないと、体力やスキルが伸び悩みます。痛みが慢性化すると、試合や大会を諦めざるを得ないケースも。 - 関節・骨格の歪みが進行
痛む部位をかばった歩き方や姿勢が定着し、骨盤や背骨、下肢のアライメントに歪みが生じることがあります。将来的な腰痛・股関節痛・膝痛の原因になる可能性があります。 - 他の部位への負担増
かばう動作が習慣化すると、反対側の脚や足首、さらには腰や首などにまで過剰な負担がかかり、新たな痛みを誘発しかねません。 - 精神的ストレスの蓄積
「思うように動けない」「痛みを理解してもらえない」など、子どもの心にも影響が出ることがあります。痛みによってやりたいことが制限されると、自己肯定感の低下やストレスが増すリスクがあります。
自分でできるケアと予防について
1. 適度な休息とアイシング・温め
激しい練習や試合が続くときは、疲労を溜めないように適度な休息をとることが大切です。痛みや腫れが強い部位は、練習後や入浴前に短時間のアイシングを行って炎症を抑えます。また、筋肉が硬くなっているときは、お風呂で温めたり軽いマッサージをするなど、状態に合わせてケアしましょう。
2. ストレッチ・筋力トレーニング
成長痛の原因となる骨と筋肉のアンバランスを補うために、 太もも（大腿四頭筋やハムストリングス）、ふくらはぎ、股関節周り などの柔軟性を高めるストレッチが有効です。また、コア（体幹）や下半身の筋力をバランスよく鍛えることで、関節への負担を軽減できます。
3. 正しい姿勢・フォームの習得
- 普段の姿勢チェック: 猫背や反り腰になっていないか、左右どちらかに重心が偏っていないか。
- 運動フォームの見直し: ランニングやジャンプの着地など、動作解析を行い適切なフォームに修正する。
4. 栄養バランスと休息（睡眠）
成長期の子どもには、 タンパク質、カルシウム、ビタミンD、マグネシウムなど 骨や筋肉の成長に必要な栄養素を十分に摂取することが重要です。また、睡眠は成長ホルモンの分泌が最も活発になる時間帯。早寝早起きを心がけ、睡眠時間をしっかり確保することで身体の回復力を高めます。
5. シューズやインソールの選択
足裏のアーチやかかとの傾きなど、足の形に合わない靴を履いていると下半身のバランスが崩れ、成長痛を誘発する原因になります。スポーツ用シューズはサイズだけでなくクッション性や安定性をチェックし、必要に応じてインソール（中敷）を活用することも一つの方法です。
丸山接骨院での対応の流れ
1. カウンセリング・検査
痛みの出方や頻度、運動の種類・負荷、生活習慣などを丁寧にヒアリングします。必要に応じて触診や動作確認を行い、痛みの原因や関連する部位を特定します。場合によっては病院で検査を受けていただくことをおすすめすることもあります。
2. 炎症ケア・物理療法
痛みが強い場合や腫れが見られる場合には、 電気治療・超音波・アイシング などの物理療法を用いて炎症や痛みを緩和。子どもの体は繊細であり、過度な刺激は逆効果となるため、状態に合わせた優しいアプローチを心がけています。
3. 筋肉・骨格バランスの調整
成長痛の根本には姿勢や骨盤・関節の歪み、筋肉のアンバランスなどが関わっていることが多いです。丸山接骨院では、 手技療法 や 骨盤調整 を含めた施術で全身のバランスを整え、痛みの出にくい身体づくりをサポートします。
4. リハビリ・トレーニング指導
痛みが和らいできた段階では、 ストレッチや軽い筋力トレーニング の方法をお伝えします。子ども一人ひとりの成長段階や運動レベルに合わせたメニューを組み、関節や筋肉に過度な負担がかからないように配慮して進めます。
5. 生活指導・セルフケアの提案
- 姿勢・歩き方・ランニングフォーム のチェック
- シューズの選び方やインソール活用 のアドバイス
- 栄養や睡眠 に関する基本的なアドバイス
保護者の方にもわかりやすくお伝えし、日常生活でのケアや予防を二人三脚で進めていきます。
よくある質問（Q&A）
Q1. 成長痛は本当に「ほっとけば治る」のでしょうか？
- 個人差はありますが、子どもの成長期が終われば自然に痛みが収まることもあります。ただし、オスグッド病やセーバー病など明確な炎症がある場合や、運動への支障が大きい場合は適切なケアが必要です。痛みが長引く、日常生活に支障が出るようなときは専門家に相談しましょう。
Q2. 病院と接骨院、どちらに行くべきですか？
- まずは整形外科でレントゲンやMRIなどを受け、骨や関節に重大な異常がないか確認するのも一つの手です。骨折や重度の障害が否定されたら、接骨院でリハビリや姿勢改善、痛みの緩和などのケアを行うのが効果的です。状況に応じて併用も可能です。
Q3. 運動は完全に休んだほうがいいですか？
- 痛みの度合いや部位によります。強い痛みや炎症がある場合は一時的に負荷を下げる・休むことが大切ですが、まったく動かないと筋力低下を招く恐れもあります。医師や施術者の指導のもと、「痛みが出にくい範囲の軽い運動」「フォームを修正しながら負荷をコントロール」など、段階的に続けるのが望ましい場合も多いです。
Q4. 家で親ができるケアは？
- まずは子どもの訴えに耳を傾け、痛みが強いときには無理をさせないことが第一です。冷やしたり温めたりして様子を見る、脚を優しくマッサージする、ストレッチを手伝うなど、家庭でできるケアも大きな助けになります。ただし、痛みの原因や状態によっては自己流のマッサージが逆効果になる場合もあるため、不安なときは専門家に相談しましょう。
まとめ
成長期の子どもが経験する「成長痛」は、骨と筋肉のアンバランスや運動量の増加、姿勢の癖などさまざまな要因が絡み合って起こります。軽度であれば自然に治まることもありますが、激しい痛みや腫れ、スポーツに支障が出る状態を放置すると、運動機能の低下や骨格の歪み、さらなるケガのリスクを高めてしまう恐れもあります。
夙川の丸山接骨院では、痛みの根本原因を探りながら、 全身バランスの調整 と 適切なリハビリ・トレーニング指導 を行い、子どもたちの成長をサポートします。保護者の方々にも分かりやすく説明し、日常生活でのケア方法や再発予防に必要なポイントをお伝えしていますので、「最近子どもがよくひざを痛がる」「夜になると脚が痛いと言って眠れない」などの不安がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。
大切なお子さまが元気に走り回り、スポーツや日々の学校生活を思い切り楽しめるように、成長痛を正しくケア・対処していきましょう。丸山接骨院は、子どもの未来のために最適なアプローチでサポートいたします。